‘命のビザ’で敦賀に上陸した人々[2022.10.17]

 先日、何気なく聞いていたラジオから杉原千畝さんの名前が流れてきたので、ふとその話題に耳を傾けました。それは、第2次世界大戦中、ドイツ軍の迫害から逃れヨーロッパから逃避行する難民に関わった何人もの人たちのドキュメントでした。その調査を進めた北出明さんの話を聞くにつれ、難民が遥かな旅を成功させるためには、確かに杉原氏の関わりだけでは困難であったことが容易に推測できました。

 杉原千畝さんの勇気ある決断と人道的行為は、すでに多くの人たちが知るところです。それにより、当時、数多くの難民が迫害から逃れることができ、東欧からシベリア鉄道でウラジオストックへ辿り着けました。しかし、逃避行はそれで終わりでなく、自由の地を目指して大陸を離れ、福井県の敦賀へ渡航していたのです。敦賀に一時滞在した後、アメリカなどの地へ渡っていくには、杉原氏のみならず多くの人たちの公私にわたる人道支援があったことが、「7枚の写真」の掘り下げと供にこの本の中で紹介されています。日本海に面する敦賀の町では、善意ある人たちによって心温まる配慮がなされたようです。

 埋もれている歴史に光を当てることの意義を改めて感じました。

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