理事長あいさつ

10年目を迎えて

 オリンピックを間近に控える中、本年度も各地に緊急事態宣言が出されるなど、先行き不透明なスタートとなってしまいました。それでも、これが皆様のお手元に届く頃にはワクチン接種も進み、日常が徐々に戻りつつあることを願わずにはいられません。

 昨年来、このような状況の中、本事業団では予てより懸案でありました事務局の独立を4月1日に実現し、改革の第一歩を踏み出すことができました。さらに、公益目的事業の変更認定も実現いたしました。公益財団法人の事業は、行政庁(県)の認定が必要ですが、本事業団の場合、実施する内容を細かく規定しており、実施可能な事業内容が限定されていました。そのため、公益法人に移行して10年目を迎えるにあたり、これまでの内容を検証し、時代に即した多彩な事業展開が可能となるよう領域の拡大を図りました。

 令和3年度も引き続き、市民の皆様の自主的な芸術・文化活動についてご支援を行いつつ、本市における文化的環境の醸成を図りながら、潤いと活力のあるまちづくりに少しでも貢献してまいりたいと存じます。

 事業運営に際しては、これまで皆様からのご支援で設けられた貴重な基金を安全性第一に、地方債や定期預金で運用し、その利息収入で運営してまいりました。しかしながら、長引く日銀の超低金利政策などにより、運用益が年々減少する事態となっております。これまでの運用方法を今後も踏襲した場合、厳しさがさらに増し、数年のうちに運用益がほぼ見込めない状況に陥ることが予想されます。そのため、本年度は、新たに理事長の諮問機関として「資金管理運用委員会」を設置し、中長期的展望に立って、今後担うべき事業団の役割に基づき、資金運用の在り方や方法についてご議論いただくことといたしました。

 微力ではありますが、因習に囚われることなく、時代に即した事業団改革を進めてまいる所存ですので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

                           令和3年9月1日

                           公益財団法人佐野市民文化振興事業団 

                                     理事長 佐野 正行