理事長あいさつ

 新たな役割を担って

 

 新型コロナウイルス感染症が確認されてから不安な日々を送って三年余り。五月から新たなステージに入り、これまで一部を縮小していた文化事業なども通常どおり開催されるようになってまいりました。生活の中で文化的な営みを楽しむことは、人にとって喜びであり、心豊かな生活を送るためにも大切であることを改めて実感しております。
 このような中、本事業団は、これまでの公益目的事業内容を改めて見直し、時代に即した芸術・文化の振興事業の取り組みを展開いたしました。
 特に、令和四年度からは、新たに公三事業として県の認可を受け、「文化財の調査・整備・活用事業」を位置づけ、佐野市からの委託を受け、唐沢山城跡の調査・整備を実施いたしました。
 また、本事業団は、公益財団法人になって十周年を迎え、令和四年十二月に公益財団法人化十周年記念行事「文化のつどい」を佐野市文化会館で開催しました。多くの方がご来場され、芸術や文化に触れていただく機会となりました。
 さらに、「事業団友の会」を発足し、文化活動を通じた市民協働や活動支援の取り組みをはじめました。講座やイベントなど事業団が進める事業の企画運営をするグループと、文化の探求活動をするグループの二つが活動しております。
 なお、事業の推進については、新たに「事業検討委員会」を設置し、事業や事業団の在り方などについて意見交換や検討を頂いております。
 令和五年度は、栃木県の認可を受け、四月から佐野市の指定管理者として、佐野市郷土博物館の管理運営を開始いたしました。歴史ある博物館の管理運営を担うにあたり、ご来館者の方に来てよかったと思っていただけるような博物館にしてまいりたいと思います。
 今後も、方向性を違えることなく、事業団が果たすべき役割の実現に努め、皆様の自主的な芸術・文化活動についてご支援を行い、文化的環境の醸成を図り、潤いと活力のあるまちづくりに細やかなりとも貢献してまいる所存ですので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

                           令和5年9月1日

                           公益財団法人佐野市民文化振興事業団 

                                     理事長 佐野 正行